かぐらいっきょうの『ここが変だよ日本の教育』

日本の社会や教育で疑問に感じていることをちょこっと書いたブログ

「恵方巻き問題から考える“なぜ”の教育」の巻

恵方巻きの廃棄が、なぜ問題なのか、あなたは、きちんと理由まで答えられますか。」

 

 恵方巻きの作り過ぎによる食品ロスの問題が、今日もメディアで取り上げられていましたが、何が問題なのか、具体的な理由まで答えられる人はいるでしょうか。

 

 おそらくほとんどの人は、ただただ「もったいないから」と答えるでしょう。

 

 

 日本は「もったいない文化」があるので、捨てるということに対して過敏なのですが、それは、恵方巻きに限りません。クリスマスケーキにしても、おせち料理にしても、イベント商品ではよくある話です。イベント商品ではないですが、駅弁などもそうかもしれません。売れる可能性に対し、それ以上に作るのは当たり前の流れでしょう。

 

 消費文化の中で暮らしている以上、「生産」と「消費」と「廃棄」は、切っても切れない関係にあります。

 

 さらに、よく考えてほしいのは、食品の原料を作っている生産者をはじめ、イベント商品にからんでいる人たちは全員、こういうイベントがもうけ時です。

 

「10億円の廃棄」なんて、そっちの数字を取り上げていますが、これも数字のマジックで、今年の恵方巻きの売上(推定)は、なんと「257億円」に上るそうです。

 

 この売り上げの中には、農家さんや漁師さんの収入にも直結しているわけで、関係ない人は好きなことを言いますが、働いている人の生活のことも考えなくてはいけません。廃棄されたものも含め、生産者には、収入減になっているのです。

 

 

 廃棄率は仮定で4%などと報じていますが、この数字、どうとらえますか。

 

 あなたが、お店をしているとしましょう。

 恵方巻きを「25本」仕入れて、「24本」売れましたが、「1本」だけ余ったから捨てました。(もしくは、家のポチにあげました。)

 もったいないですかね。

 

 これをもったいないからダメだと言っている人は、自給自足の生活を今すぐ始めましょう。あなたの飽食や食の便利さは、こういった廃棄の上になりたっているということも考えなくてはいけません。

 

 ちなみに数字だけ見ると、世界の食品ロスは、実に3分の1(33%)ともいわれていますが、今回は4%です。

   

 

 もとい、この問題は、ホントに何を問題としているのでしょうか。

 

 もっというと、「廃棄」が悪いと考えるのはなぜですか。

 

  農水省担当者は「貴重な食料資源を有効利用してほしい」などと言っているみたいですが、貴重な食料資源とは、具体的に何でしょう。

 

 お米は余っているし、野菜も問題ないし、海苔かな。普段、おにぎり以外で食べますかね。肉かな。お肉屋さんに肉がないとか、聞いたことありますか。

 

 あえて言えば、枯渇の可能性のある天然の水産物かな、とも思ったのですが、養殖モノなら問題ないですよね。

 

 特に問題視することは見つかりません。

 

 

 じゃあ、誰かが困っているのでしょうか。

 

 売れ残った恵方巻きを、従業員がノルマで買わされる問題? 

 そんなものは、会社の問題です。違法なんだから、恵方巻きとは別問題です。

 

 他に困っている人・・・探したらいるのかもしれませんが、思いつきません。

 

 

 逆に、このイベントでいい事は、具体的にあるのです。

 

 まずは、経済が回る。一日のイベントで、約260億円です。

 

 そして、食べたい消費者は、間違いなく食べられる。

 

 さらに、余った物を、フードバンクなどに回せば、貧困家庭の人も、おいしい恵方巻きが食べられる。

  

 

 ホントに、何が問題なのか。

 

 あなたには、わかりますか。

 

 

 

 これだけ話してきましたが、僕が言いたいのは、恵方巻きの問題ではありません。

 恵方巻きの問題は、ホントはどうでもいいことです。

 

 この問題で僕が問題視しているのは、だれも困ってないのに問題にする、日本人の思考回路です。

 

「もったいない」=「ダメ」は、あまりにも、思考が単純過ぎます。

 

 問題だ、問題だと、マスコミは騒ぎますが、何が問題なのか、冷静に考えてみると、そんなに問題ではないということが多々あります。

 

 しかし、人は、誘導的な映像や、意図的な数字を見せられて、感情のまま、問題意識を植え付けられます。

  

 

 学校とは、真理へのアプローチの仕方を学ぶところです。

 子どもたちには、社会の一方的な意見に惑わされず、自分の頭脳で世の中に提示された問題について冷静に考えることを、きちんと教えていく必要があります。

 

「教科書を疑え」と言ったノーベル賞受賞者がいましたが、教科書以上に、世の中の情報は間違いだらけです。正答を出すのは、あなたの頭脳のみなのです。