「学校休校で親に負担が・・・なんて言っている人へ」の巻
子どもは意外とのんびり過ごしている
春休みです。
といっても、ほどんどの学校は休校からの突入なので、春休みだからどうしたという感じで、ずっとお休みです。
僕は、仕事の関係上、毎日、子どもたちに会う機会があります。
そこで、会う子、会う子に、最近、何をして過ごしているのか聞いてみたのですが、その回答はいたって普通です。
嘘か真か「勉強してます」が一番多く、次いで「テレビを見ています」、「ゲームをしています」、「YouTube(などの動画)を見ています」、「漫画を読んでいます」などなど。中には、「午前中は寝てます」なんて子も。
意外だったのは、「読書」という回答がなんとゼロ。
「本は読まないの?」と聞くと、もともと読書の習慣がない子も多いのですが、よく本を読んでいる子も、読んでませんとのこと。家に読みたい本がないのだそうです。
近所の図書館は、このコロナ騒ぎで閉まっているし、本屋さんに行くのも自粛しているのでしょうか。
せっかく、時間はたくさんあるのだから、読書もしてほしいと思うのが良識的な大人の意見です。
「学校で本の貸し出しはなかったの?」
「ありませんでした。」
学校で最後の日にでも、図書の貸し出しをしていれば、イタリアで話題のドメニコ・スキラーチェ校長先生のメッセージのように、「この機会に良い本に出合えた」かもしれないのに。学校は何をしているのだ。
ずっと休みだと、そろそろ退屈しているんじゃないかと聞いてみると、全員が「退屈していない」との回答。
子どもたちは、それぞれに過ごし方を見つけているので、大人は心配しないことです。
「学校へ行きたいか」どうかも聞くと、これまたほとんどの子が、「別にどっちでもいい」とのこと。
当たり前といえば当たり前ですが、子どもにとっては、学校は休みの方がいいのです。
家で独りで過ごせない子どもって???
テレビでは、これに反して、「学校に行きたい」という子の映像しか流さないし、「家にずっといるのでストレスが・・・」とかいうセリフもよく耳にしましたが、よく考えてみてください。
「我が家」というところは、子どもがもっとも落ち着ける場所ですし、緊張を解放できるところです。そうでなくてはいけません。
自分の家にいてストレスがたまるって、どういう家庭なのでしょうか。
今のところ、外出禁止令が出ているわけではないので、全く外に出られないわけでもありません。
僕は昭和の人間ですが、自分が子どものころを思い出して、これらの報道を不思議に思います。
当時は「鍵っ子」なんて言葉もありました。
共働きの親の子のことで、首に鍵をぶら下げていたので、そう呼ばれていました。
もちろん、帰っても家には誰もいません。
晩御飯を自分で作って食べていると言う友だちもいました。
今とは逆に、放課後、塾や習い事に行っている子も少なく、学童保育などの子どもを預かってくれる所なんてありません。
みんな、ほったらかしにされていましたが、自分たちでいろいろな遊びを考え、楽しく生活していました。
では、令和の子は違うのかと思ったら、そうでもないようです。
子どもたちは、自分たちで工夫して、楽しく生活できるのですが、大人が干渉しすぎている点は否めません。
家で独りでいるときこそ教育のチャンス
テレビのインタビューで「家に子どもだけにしていると心配」なんていっている人がいましたが、それは各家庭の問題で、社会の問題ではありません。
我が家というのは、世界一、安全の場所であり、そこで独りで過ごせないのは、ただただ、家庭教育ができていないだけです。
学校が休校で困るなんていっていますが、実際はそんなに大事にもなっていませんよね。学校は、ある意味、社会インフラの一つで、必ずしもあるとは限らないと考えておくことも必要です。
世界には、学校に通えない子などごまんといますし、学校が遠くて、在宅で公教育を受けている子どもたちもたくさんいます。
だから、学校が休校になったからと言って、自分たちが不幸みたいに言うのは、贅沢な生活を送っている日本人ならではの不平です。
今回の様々な報道がされている家庭の問題のうち、半分は、平和ボケと甘えです。
欧米では、戦争並みの厳戒態勢をとっています。それを考えて、少々の不便はみんなで我慢しないといけないのではないでしょうか。
もちろん、日ごろから、特別な支援が必要な児童や、発達段階において遅れがちな児童については、何かしらのケアが必要ですが、そうでない子は、小学生以上であれば、家で独りでも生活できます。
何でも大人がやってしまう過保護な生活を送っていると、「生きる力」は身につきません。
今までは独りで過ごした経験がない子も、これを機に、自分たちで生活できる「生きる力」を身につけることができるのです。
今日のまとめ
僕は、ここ10年程、夏休みにサマーキャンプを開いて、小学1年生から中学3年生まで、30人ほどの子どもたちに、自分たちだけで生活する体験をさせています。
スケジュールや食事の献立などの計画は、僕の方で立てますが、当日、大人は一切、タッチせず、子どもたちだけで3日間、生活します。
朝昼晩の三食すべて、自分たちで作ります。
かなりちゃんとしたメニューです。
その他の活動もほぼ、自分たちの判断で進めていき、何の問題もなく三日間を終えます。
保護者の中には、参加前に心配されている方もいますが、キャンプから帰ると、家でも食事の準備を手伝ってくれるようになったなどと、喜んでおられます。
生きていく術は、ある程度、ほっておくことで学習します。
それは、困って、考えるからです。
今は、世界中が大変な時です。
こういったときに、個々が「逞しく生きる力」を身につけるチャンスだと思って、この困難に立ち向かっていこうではありませんか。頑張ろう、ニッポン!!