「給食の完食指導は必要か?」の巻
給食の完食指導は昭和20年代からずっと問題?
給食の完食指導が問題になっているという記事を見ました。
要は完食を強要する指導について、好き嫌いがある子には酷ではないかという議論ですが、学校給食は、日本人であれば、ほぼ全員が経験していることですので、この問題については各々の意見があるかと思います。
この嫌いなものも食べさせられる問題は、今に始まったことではなく、戦後、給食が全国的に行われ出したころ(昭和27年ぐらい)からずっと問題です。
人はそれぞれ、好きな食べ物と嫌いな食べ物がありますから、昭和だろうと、平成だろうと、令和だろうと同じですが、昔は、おいしくないおかずが、今よりもたくさんありました。しかし、我慢強い昭和生まれの我々は、みんな、鼻をつまんだり、牛乳で流し込んだり、工夫して完食していました。(ばれないように捨てている人もいましたが)
最近の子は、甘やかされて育っているので、とにかくわがままで、トラブりたくない(指導力のない)教師が、この完食指導から、逃げている傾向にあるようですが、困ったもんです。
完食指導にはとても大事な意義があるのです。
子どもたちの好き嫌いは何が問題か
「食べ物の好き嫌いは個人の自由だ。」
と言いたい人も沢山いるでしょう。
私もその一人です。
しかし、日本には個人の問題では終われない事情があります。
ファストフード大手のマクドナルドは、昔から子供向け商品に力を入れています。
日曜日の午前中に、そういった商品のCMを見ることも多いでしょう。
なぜ、マクドナルドは、子どもを対象にしているのか。
ボーっと生きている人は、「家族で来店してくれるから」という単純な解答になると思いますが、企業側にはもっと深い戦略があります。
それは、生涯にわたる食生活の習慣は、幼少期の食生活が大きく影響しているということです。
「おふくろの味」という言葉がありますが、幼少期に食べたものは、大人になってからも好んで食する傾向にあります。それをマクドナルドは狙っているのです。
僕は、小さい頃、ハンバーガーはほとんど食べてないので、今でもハンバーガーを食べる習慣はありません。バーガーショップには、半年に一回、行くかどうかです。
しょっちゅう行っている知り合いに聞くと、やはり小さい頃からバーガーショップにはよく家族で行っていたそうです。
このことが、義務教育で給食指導を食育として行う理由であり、完食指導が大事である大きな理由です。
給食指導には将来の日本の存亡がかかっている?
家庭の食事が偏食傾向であったり、幼少期に好き嫌いを許して偏食をさせていたりすると、その子は、生涯にわたって偏食生活を送る可能性があります。
偏食をずっとしているとどうなるか。
それは、ご想像の通りです。
国民の不健康は、本人の不幸せだけでなく、医療費などの増加につながり、国の財政を圧迫させ、国民全体の生活に悪影響を及ぼします。令和の日本の課題は、高齢者がいかに健康的な生活を送るかです。
公教育とは、国や地域社会の繁栄のために行うものです。
「先見の明のある教育者」は、この給食指導から将来の日本国の存亡にまで考えを及ぼしていると思いますが、残念ながら、そこまで考えている学担はほとんどいないでしょう。
ただ、わけもわからず、全部食べなさいでは、子どもたちには酷だなと言わざるを得ません。要は、この問題は、完食指導がダメなのではなく、「指導の仕方」が問題なのです。そこを勘違いしないようにしてほしいものです。
今日のまとめ
給食指導に限らず、学校で行われるすべての指導が、日本の未来と繋がっていることを知り、目先の自分の立場や、子どもたちのわがままに目を奪われることなく、指導をしていってほしいと願っています。