「本をたくさん読んでる子が国語ができるとは限らない」の巻
ある小学校のクラスで、読書記録のチェックをしていた時のことです。
図書館や学級文庫の本をたくさん借りている子がいたのですが、その子は国語がお世辞にもいい成績ではありませんでした。これだけ本を読んでいるのに国語の成績がいまいちなのはなぜなのか。僕は不思議に思いました。
初めは、「読まずに返却しているのだろうか」と思いましたが、読書の時間などに観察をしていても、きちんと読んでいるようでした。おうちの人に聞いても、読書好きなのは間違いないようです。
僕はある仮説を立てました。
「文章をきちんと読まずに流して読んでいるのではないか」という説です。
そして、ある本を読み終えた時をねらって、その本の内容を尋ねてみました。すると、なんとなく物語の内容は話せますが、詳しくは理解していないことが判明しました。
これまでに、たくさんの生徒を見てきましたが、読めない漢字を飛ばして読んだり、わからない言葉を無視して読んだりしている子も多いことがわかりました。
僕は学生の頃、国語は得意な方でした。わからない漢字は読み方を調べてましたし、わからない言葉の意味も辞書で調べていました。
小学校4年生の時に、通っていた塾で「坂の上の雲」を読む宿題が出た時は、あまりにも面白くなかったので、さすがに途中でギブアップしましたが、天声人語などの新聞の社説をノートに張って語句を調べたりするやつは、結構長い間、やりました。
それらの学習習慣で、読解力がついてのはまちがいないでしょう。
よく、朝の時間に読書の時間を設けている学校がありますが、国語の読解力自体を先に上げておかないことには、読書における様々な効果も半減している可能性は否定できません。国語、頑張ろう!!