「ふるさと納税問題 最初から問題だった」の巻
泉佐野市のふるさと納税の返礼品が問題になっていますが、どう思われますか。
パッと見、あくどい商売をやっているようにも感じますが、法の中でやっているわけで、やっていること自体が悪いわけではありませんよね。今まで、他の自治体もやっていたわけですし、いまさらといった感じです。
要は、いうことをきかないという政府の怒りを買っているだけで、問題は、この制度を作ったのが、怒っている当の本人だということです。自らこの制度を作っておきながら、「ダメだ」と言っているのがおかしな話で、早く法改正すればいいだけのこと。
そもそも、僕にはこの「ふるさと納税」制度の趣旨がわかりません。
どこが「ふるさと」なのだろうか。
「故郷」とは?
辞書を引いてみると、「自分の生まれ育った土地」となっています。そんなこと、みなさんも知ってますよね。じゃあ、「ふるさと納税」で、ぜんぜん所縁のない自治体に納税(寄付と言っているが事実上の納税)できるようにしたのはなぜでしょうか。
政府の思惑は表に出ないものも含めていろいろとあるのでしょうが、実際にこんな制度を始めたらどうなるか、の想像はできなかったのでしょうか。
まず自治体はどう考えるか。
納税者に魅力的な返礼品にする。
そうなるとどうなるか・・・
俗に言う「得するところ」に納税することになります。
全くもって、自治体とか関係なし。
どこの自治体に納税したのか忘れた人も沢山います。
そうなることは、僕たち一般市民でも容易に予想できることです。
泉佐野市に対し、「ほかの自治体のことを考えず、自分の所だけ良ければいいのか」と言っていますが、そんなことは、当たり前のことです。自治体同士は共同体ではありません。逆に隣の自治体が破たんしそうだからといって、「じゃあ、うちで借金の肩代わりをしましょう」なんて自治体はあるでしょうか。
ちょっと視点を変えて、「寄付の習慣を根付かせるため」などと言っている人もいますが、これは実は寄付の制度ではありません。寄付とは、自分の財を人に与えることで、これは税にとられそうになっている自分の財を取り戻す制度です。
寄付といいいながら、税金の控除という損得勘定で考える、このけち臭い考え方が、寄付の精神が日本に根付かない理由です。
僕も、以前、この制度を使いましたが、どこに納税したかというと、災害のあった自治体へです。
これも寄付っぽいのですが、良く考えると寄付ではありません。自分の自治体へ入るはずの税金が、そちらに回っただけの事なのです。
「ふるさと」というネーミングはいいなと思ったのですが、開けてびっくり。
とにかく、この制度は最初から疑問点が多かったので、泉佐野市を問題視している政府に対し怒り心頭です。やる前にこれぐらいのことは考えてほしいものです。
「生まれ育った故郷に感謝の気持ちで納税する」でいいのではないでしょうかね。単純にそう思います。
ネーミングも「ふるさと仕送り制度」。ダサいなあ。