「大麻は『悪』なのかから考える道徳 その①」の巻
このことについて、僕は20年以上前から、道徳教育の中で話題にしてきましたが、芸能人のニュースに便乗して、問いかけておこうと思います。
大麻ははたして悪なのか
子どもたちに聞かれたら、どう答えますか。
おそらく、2つの観点から答えるでしょう。
一つは、違法だから悪いということ。
もう一つは、健康に対し悪いということ。
この2つです。
まず、社会的に言うと、日本では所持禁止なので、「持てない=吸えない」で悪いとなります。
こちらは説得力がありますね。ダメなものはダメだというやつです。
しかし、この考え方がダメだということは、以前も話した通りです。
次に健康についてですが、煙草ほどは影響はないまでも体には悪いといわれています。
ただ、それもあいまいで、世界的に使用を禁止している国が多いため、使用し続けた人がどうなるのか、検証できてないのが現状だそうです。
現時点では、わかりやすく煙草と同程度と考えてみましょう。
ということで、健康的にも悪いとなりますが、そこで新たな質問が来ます。
煙草はよくて大麻はダメな理由
「なぜ、煙草はよくて、大麻はダメなの?」
子どもたちは不思議に思うでしょう。
「これは、大人の事情でね・・・」
煙草の健康被害は明確です。しかし、喫煙については、場所的には追い詰められているものの、禁止までには至っていません。なぜでしょうか。
煙草が使用禁止にならないのは、結局のところ、お金の問題です。
煙草産業は、もともと官営事業(財務省所管)だったため、国民に不健康をばらまいているにもかかわらず、悪びれることもなくそのまま残り、さらに税金が取れるため、未だに事業を続けています。
煙草の税収は、毎年2兆円を超えていますからね。
大麻を禁止して、煙草を禁止しない理由は、お金です。
じゃあ、逆はできないのか。
そんな中、先進国では初めて、カナダが大麻を解禁にしました。
カナダで大麻が解禁になった理由について、カナダのトルドー首相は、犯罪組織への資金源断絶のほか、多くの国民が非合法で使用していた大麻の生産、流通、消費を規制下に置くことが目的だ言っています。
しかし、裏事情としては、大規模な税収が見込めるからとも言われています。
カナダで日本人は大麻を使用できないのか
興味深いのは、日本の反応です。
カナダのことなのでニュース程度の扱いでいいのに、ああだこうだマスコミが取り上げます。
道徳的に気になったのは、解禁になったカナダでも日本人が大麻を吸ってはダメとい言っている人がいることです。
郷に入れば郷に従えで、その国に行けばその国のルールに従うのが当たり前のこと。
カナダで大麻を吸おうと吸わまいが、日本にいる人がとやかくいう権利はないと思いますが、言いたいんですね、日本人は。
一応、法律では海外でも所持はダメになっています。
しかし、大麻取締法第24条の8で従うという刑法第2条は、その対象を内乱罪や通貨偽造罪、有価証券偽造罪など、国家の存立そのものを危うくするような重大な犯罪行為をとしていますが、大麻所持が果たして日本国存亡の危機につながるような事なのか、おおいに疑問です。
常習性を日本に持ち込む危険があるなどという意見も、おせっかいな人から出てきそうですが、旅行で数回大麻を吸ったぐらいで依存になることはまずないでしょう。
外務省からは、「在留邦人や日本人旅行客におかれましては、日本国外であっても大麻に手を出さないように十分注意願います」とのこと。
法律上は仕方ないとして、個人的な意見としては、海外は自己責任、日本では我慢しようでいいと思います。
今日のまとめ
日本人は、なんでもかんでも、考えも無しにダメダメダメダメダメダメダメダメ言います。そのこと自体が、ダメです。
日本人にモラルセンスがない原因は、自分の経験や自分の現存社会の価値観で物事の善悪を測るからです。
「なぜ、それがダメなのか」をきちんと考える、「なぜ、それがダメなのか」をきちんと答える学習が、学校教育では必要です。
ただ、それを教えられるセンスある指導者が少ないのが現状です。
ハイセンスな指導者は、ハイセンスな教育から生まれます。
日本の道徳教育は、今、負のスパイラルの中にいるのです。
つづく